Q1:3つとも波の大きさがおなじようだけれど、地震の規模が同じということ?

A:いいえ、それぞれの波の振幅(縦の高さ)は実際には地震の規模(マグニチュード)や震源(地震が起こった場所)からの距離に応じて大きく変動し、地震の規模が大きいほど、震源からの距離が近いほど振幅が大きくなります。 この3つの波形は、どれも地震研究所白木観測所で得られたものですが、下の地図のように震源までの距離が大きくことなるため、実際の振幅は異なります。

震源からの距離

 手ぬぐいでは、そのままでは見づらいので、振幅がどれも等しくなるように調整しています。熊本地震を基準とすると、東北地方太平洋沖地震は4倍、北海道胆振地震は40倍に拡大していることになります。左下の手ぬぐいの写真の丸で囲んだ部分を同じスケールで描いたのが右下の図です。波形は、赤(東北地方太平洋沖地震)、緑(熊本地震)、青(北海道胆振東部地震)で、波形はP波走時の10秒前からの2分間分をプロットしています。震源から観測所までが遠い東北地方太平洋沖地震や北海道胆振東部地震は熊本地震と比べると、手ぬぐいに描かれているよりも小さく観測されたということになります。

「P波走時の10秒前からの2分間」の手ぬぐい上での位置
P波走時の10秒前からの2分間を同じスケールで描いた波形

(木下 正高 教授・鶴岡 弘 准教授)

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