Q3:この手ぬぐいの波形からPS時間は読み取れる?

A: だいたいでよければ、できます。 まず振幅の小さな波が現れますがこれがP波で、続いて現れる振幅の大きな波がS波だろうと考えられます。この記録は全体で30分ですから、それを使えばPS時間が求められます。
下の図の青い線がP波の到着時刻、赤い線がS波の到着時刻です。

PS時間

地震は通常上下、東西、南北の3成分それぞれについて観測されますが、手ぬぐいにあしらわれているのは上下の動きです。
遠くからの地震(東北地方太平洋沖&北海道胆振)は地中を通ってきた波が先に到達します。地中を通ってきた波は、地表にある地震計に対して真下から進んでくるので、上下動の波形でP波が見やすく、S波は水平動で見やすい傾向があります。そのため、実際は上下動だけでなく水平動成分の結果も総合してP波S波の到着を推定しています。
なお、地震の発生場所は、複数の観測点のP波S波の到着時刻を統合して決定されています。

(木下 正高 教授・鶴岡 弘 准教授)

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