1960年チリ地震から60年
picture of tsunami

1960年5月22日(現地時間)にチリ南部で発生した地震は,20世紀最大の巨大地震とされています.この地震による津波は,まる一日かけて太平洋を横断し,日本に達しました.三陸沿岸では最大6mとなり,北海道から沖縄までの太平洋岸で計142名の死者・行方不明者が出ました.上の写真は5月24日(日本時間)早朝のチリ津波によって浸水した宮城県女川駅です(東大地震研究所発行のチリ津波合同調査班報告書から).過去半世紀の間に,地震・測地・津波など様々なデータを使って,この地震の規模(モーメントマグニチュードMw)が調べられてきました.一般にはMw=9.5とされていますが,用いるデータや研究者によって大きく異なり,最近の測地・地殻変動データを使った研究ではMw 9.3 程度とされています(図1)

( 地震火山情報センター  佐竹健治 教授)

図1 地震・測地・津波データによる1960年チリ地震の規模Mw(横軸)と,その研究の発表年(縦軸).