2015年地震研一般公開

ERI Café

ERI Caféでは、気軽な雰囲気の中で最新の研究成果をご紹介します。今年は地震発生の謎に挑んでいる二人の研究者が、臨場感あふれる研究現場の様子を紹介します。
日付:2015年8月6日(木)
場所:1号館3階

11:00~11:30
「プレート境界面の実体解明をめざし、海底地震計とともにニュージーランドへ」
望月公廣(地震予知研究センター・准教授)
11:30~12:00
「虎穴に入って虎の足音を待つ」
中谷正生(地球計測系研究部門・准教授)

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プレート境界面の実体解明をめざし、海底地震計とともにニュージーランドへ

by望月公廣(地震予知研究センター・准教授)
東北地方太平洋沖地震に代表されるプレート境界型地震は、海溝軸で陸域下に沈み込む海側プレートと上に乗る陸側プレートとの境界面で、たまった歪エネルギーを解放させる滑り運動によるものです。最近の研究から、このプレート境界面では東北沖地震のような超巨大地震から、地震の揺れを感じさせないゆっくりとしたスロースリップまで、多様な滑り運動をしていることがわかってきました。このような多様性はプレート境界面上の構造や物理的性質のバリエーションによるものと考えられていますが、その実体についてはいまだ不明なことが多くあります。プレート境界面のどこでどのような滑りが発生するのか、この研究をするための最適な地域を目指し、日本近海のみならず、海外の沈み込み帯にも出向いて、海底地震計を用いた地震調査・観測を行っています。本講演では、我々がニュージーランドで行っている国際共同研究を中心に、プレート境界面の実体解明の研究に関するこれまでの結果や今後の展望をご紹介いたします。

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虎穴に入って虎の足音を待つ

by中谷正生地球計測系研究部門・准教授
「地震予知ができたら地震の研究ができるようになる」というのは、地震業界の古典的なブラックジョークですが、発生頻度の低い自然現象を研究することの本質的な困難さを言い当てています。地震発生の場所と時間が事前にわかれば、そこに観測機器をおいて地震発生に至るまでの一部始終を観察できるだろうだからです。そのような研究が、南アフリカの地下数kmで実際に行われています。金の採掘によって作られる地下の巨大な空洞の周りで、破壊のサイズが100m程度の地震が沢山おこり、また、そういう場所に人間が通勤しているので、もうすぐ滑るであろう断層(岩盤の大きな割れ目、これが滑るのが地震)に観測機器を仕掛けておけるからです。我々はそのような場所で地震に向かって日々載荷されてゆく断層ではcmサイズの微小破壊が大量に起こっていることを発見しました。その活動から地震発生に向かう断層の状態が読みとれるのではないかと考えています。