「初学者のための地震火山教室」 では、気軽な雰囲気の中で最新の研究成果を分かりやすくご紹介 します。

2016年8月4日〈木〉揚所: 1号館3階
◆10:30~11 : 15「地震予知はなぜ難しいか?」 波多野恭弘(数理系研究部門・准教授)
◆11 : 15~12: 00 「西之島火山の活動把握を目指した多項目観測」 市原美恵(火山噴火予知研究センター・准教授)

地震予知はなぜ難しいか?

by:波多野恭弘〈数理系研究部門・准教授〉

高校の理科は物理・化学・地学・生物と分かれていますが、太学に入るとこれらはどんどん融合していき、「物理化学」とか「生物物理」とか「生物物理化学」とかになります。地学の一分野である地震学ち、物理や化学の手法や考え方を取り入れることによって進展してきましたし、今後もそのようにして発展していくでしょう。ここでは、物理の考え方を取り入れることによって地震の理解が今後どう進むのかについての見通しをお話します。いうなれば「物理地学」です。そこでは、日常生活でも当たり前に経験している「摩擦」が大きく姿を変えて登場します。では、摩擦を理解すれば地震は予知できるようになるでしょうか?普通の自然現象では「理解」と「予言」は密接に関連しますが、地震の揚合にも「理解」すれば「予言」できるようになるのでしょうか?一つの可能性を力オス理論や統計力学の考え方に基づいて説明します。

西之島火山の活動把握を目指した多項目観測

by:市原美恵〈火山噴火予知研究センター・准教授〉

小笠原諸島・西之島は、2013年11月に噴火活動を開始して新しい島が形成され、溶岩流出によって急速に成長しました。このような離島での噴火活動を把握するための観測手段は、非常に限られています。私たちは、海洋研究開発機構、気象庁気象研究所、海上保安庁の各機関と協力し、西之島火山の噴火活動の推移を把握するための観測と、離島における火山観測手法の開発を行っています。これまで、130km離れた父島で噴火の音を観測したり、西之島周辺に海底地震計を設置したりして、連続観測を行ってきました。また、観測船上から無人ヘリコプターを操縦して噴出物の採取も行いました。さらに、ウェーブグライダーという、海の波と太陽光だけを原動力として動く無人ポートを用いて、火山島のごく近くで音や映像の観測を行い、衛星通信によってデータを送るシステムを開発しています。本講演では、これらの観測・開発と、得られたデータからわかる火
山活動の推移について紹介します。