3.5.14 歴史地震に関する研究

 2017年度より地震研究所と史料編纂所との連携研究機構として「地震火山史料連携研究機構」が設置され,地震予知研究センターからも教員・研究員が参画している.同連携研究機構では,東京大学デジタルアーカイブズ構築事業の一環として「日記史料有感地震データベース」を構築しており,2018年度から試作版を公開するとともに,順次データを追加している.また,いくつかの地震の有感分布の分析や実在性の検討を行なった.「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の一環で構築した「地震史料集テキストデータベース」(https://materials.utkozisin.org/)を2021年末に公開した.

 1596年に畿内で発生した地震に関してGISデータを作成した.89件の史料群のうち登場する地名や場所について現代の位置を特定し,397件について緯度経度情報および震度判定結果を付したものである.18世紀の宮城県南部の地震活動や1855年安政江戸地震の余震活動の詳細を分析した.市民参加型の歴史資料解読プロジェクト「みんなで翻刻」に新規の資料を追加した.歴史時代から現代までを通して地震カタログや有感地点データを検索できるツールを試作した.