洞爺湖側から見た有珠山 (撮影:小山悦郎)
北海道洞爺湖畔に位置する有珠山では、2000年3月31日にマグマ水蒸気噴火が発生しました。3月27日頃から地震が徐々に増加し、過去の噴火事例から噴火の切迫が予想されたため住民の避難が進められ、大きな人的被害は出ませんでした。マグマの貫入に伴う大規模な地殻変動が居住地近くで発生したため、小規模噴火にもかかわらずインフラが寸断され、850戸の家屋に被害が生じました(活火山総覧より)。また、噴火発生の事前予測は概ね成功したと言えますが、その後の噴火推移の予測は不十分であり、火山学的に多くの問題を提起した噴火でもありました。
( 火山噴火予知研究センター長 大湊 隆雄 教授 )