三宅島2000年噴火は山頂部のカルデラ形成と大規模な火山ガス放出を伴う特異な噴火でした。
2000年6月26日に地震活動が始まり6月27日には西方に移動したマグマにより海底噴火が発生しました。その後、活動は一旦収まったかに見えましたが、7月8日に山頂陥没を伴う噴火が突然発生しました。山頂陥没は徐々に進行し、8月半ばには直径約1.5㎞深さ450mに達しました。
また、三宅島と神津島の間の海域ではマグマ貫入による大規模な群発地震が続きました。 山頂陥没の進行中は断続的に噴火が発生し、特に8月18日の噴火では噴煙高が14㎞に達しました。9月に入り1日当たり数万トンを超える有毒な火山ガス放出が始まり、約4000人の島民は島外での避難生活を余儀なくされました。 火山ガスの放出量が低下し避難指示が解除されたのは4年半後の2005年2月のことでした。
( 火山噴火予知研究センター長 大湊 隆雄 教授 )