共同利用・共同研究拠点が一体となり、各学問分野の研究動向を広く伝える目的で毎月開催される「知の拠点セミナー」。その第23回セミナーで東京大学地震研究所の小原一成教授が、「スロー地震による巨大地震発生予測の可能性」についての講義をした。
「スロー地震」とは、破壊のスピードが通常の地震に比べて遅く、振動が微弱で揺れの周期が長い現象である。このゆっくりとしたすべりの伝播により地震の発生が準備されている場所に力が加わり、それが最後の引き金となり巨大地震を発生させる可能性があることがわかってきた。3.11においても、地震後の詳しい解析により本震の震源域周辺でスロー地震の存在が明らかとなった。
最近の観測によって紐解かれてきたその性質や、巨大地震との関わりについて、雨の中来場した約50名の観客は熱心に聞き入っていた。講義終了後、会場からは複数の質問が挙がり、活発な質疑応答となった。