2025年3月30日新燃岳の活動

ページ立ち上げ:2025年4月4日

九州南部にある霧島山の新燃岳では、2025年3月28日頃から火山性地震が増加しています。観測された情報をこちらで更新してまいります。


夜間 GCOM-C 画像で捉えた新燃岳2025年3月30日イベントに伴う表面温度変化

2025年4月4日 

新燃岳では、2025年3月28日頃から火山性地震が増加し、30日には山体の膨張を示す地殻変動が観測された(気象庁)。 JAXAのGCOM-C 衛星により、このイベントに関連すると考えられる新燃岳の表面温度のわずかな上昇が観測された。図1に示した3月6日と4月2日の夜間 GCOM-C 画像(11 µm バンド/分解能250m)を比較すると、イベント発生後の4月2日に、新燃岳火口域の温度が高くなっていることが認められる。

図1 3月6日と4月2日のGCOM-C画像(11 µm バンド)  

図2に、新燃岳とバックグラウンドとして設定した南岳山頂域との温度差の時間変化を示す。新燃岳の温度は、従来から南岳より4~8 度ほど高い傾向があるが、30日のイベント後である4月2日には、その温度差がこの範囲を超え、10.4 度に達している。30日のイベントの発生に伴い、一時的な噴気活動の活発化が観測されている。本検討の結果は、ガス放出の増加により溶岩層の表面が加熱され、その影響が4月2日まで継続した可能性を示唆している。

図2 新燃岳火口表面とバックグラウンドの温度差の時間変化

(火山噴火予知研究センター  金子隆之)