一般公開2013

例年、大学のオープンキャンパスに合わせて開催される一般公開。今年は8月7日・8日の2日間で開催された(8日は高校生のみを対象としたオープンキャンパス)。 地震、火山や津波についての理解を深めてもらうべく、実験・展示やミニ講演会など、様々な催しがされた。

写真は学生による火山の噴火実験の様子。

知の拠点セミナー

共同利用・共同研究拠点が一体となり、各学問分野の研究動向を広く伝える目的で毎月開催される「知の拠点セミナー」。その第23回セミナーで東京大学地震研究所の小原一成教授が、「スロー地震による巨大地震発生予測の可能性」についての講義をした。

「スロー地震」とは、破壊のスピードが通常の地震に比べて遅く、振動が微弱で揺れの周期が長い現象である。このゆっくりとしたすべりの伝播により地震の発生が準備されている場所に力が加わり、それが最後の引き金となり巨大地震を発生させる可能性があることがわかってきた。3.11においても、地震後の詳しい解析により本震の震源域周辺でスロー地震の存在が明らかとなった。

最近の観測によって紐解かれてきたその性質や、巨大地震との関わりについて、雨の中来場した約50名の観客は熱心に聞き入っていた。講義終了後、会場からは複数の質問が挙がり、活発な質疑応答となった。

International Summer School 2013

去る9月23-27日に,Summer School on Earthquake Science “Diversity of Earthquakes”と題して,国内外の大学院生・PD を対象としたサマースクールを開催した.当初予定していた参加者数40名に対して,80名を超える参加希望 があったため,最終的に50名ほどの受講者を受け入れることとし,講師,世話係(LOC)と併せて計70名ほどが5日間箱根の会場に集い,日夜“地震の多様性”について活発な議論を行った.

川勝均教授「実施報告書」より

ご行幸啓

本年は日本地震学会を世界に先駆けて創設した英国人ジョン・ミルンの没後100年になる.これを 記念して国立科学博物館において科博NEWS展示~ジョン・ミルン没後100年特別公開~を6月11日~9月8日に開催した(主催:国立科学博物館,共催:東京大学地震研究所・日本地震学会・日本地震工学会).地震研からは展示パネルの執筆に協力したほか,ミルンに関する書籍などが展示された.

また,開催中には7月13日に柴田明徳東北大学名誉教授とミルン夫人トネの伝記を執筆した森本貞子氏(本所の故森本良平所長の夫人)を招いてトークショーを開催したほか,9月6日には天皇皇后両陛下が公式訪問され,展示をご観覧いただく栄誉を賜った.

写真提供:国立科学博物館 コメント:加藤照之教授(現日本地震学会会長)

職員研修会2014/01/24 写真5

柿岡にある気象庁の地磁気観測所の見学。

観測敷地内には大正時代に建てられた趣のある施設が点在している。地磁気の変化を精密に測定するために、非磁性の銅や真鍮を使用して建てられていた。

写真は磁力系の開発試験を行うために建てられた実験室。

職員研修会2014/01/24 写真4

柿岡にある気象庁の地磁気観測所の見学。

写真右手に見える白い小屋群が4台のオーバーハウザー磁力計と地磁気絶対値比較較正装置のある建物。 大正12年の関東大震災を機に、都内にあった観測所を茨城県石岡市の柿岡に移設し、現在30名がここで働いているとのこと。