着任セミナー(2022年10月28日)毎田悠承(災害科学系研究部門)

題目:損傷制御型コンクリート系構造の実現を目指して

要旨:

これまで,地震災害時の人命保護はもとより,建築物の骨組,非構造材,継続使用性などを保護できる損傷制御型コンクリート系構造の実現を目指して研究を実施してきた。制振ダンパーをコンクリート系構造物に合理的に活用して,地震時の応答低減,靭性能向上,損傷抑制を実現するため,コンクリート系部材との接合部,制振ダンパーを取り付けたコンクリート系構造の部材・部分架構・全体架構の構造実験と数値解析を行い,その力学挙動把握と構造性能評価について研究を行ってきた。近年では,鉄筋とコンクリートの付着を除去することで部材の損傷を制御する技術や,既存建築物の耐震補強工法の開発,柱梁接合部の新たな損傷制御技術の開発なども実施している。また,ドローンを用いた建築物の損傷評価,災害調査に関する先端的な研究も行っている。さらに,国内外で起こった大規模地震の際には現地調査を実施し,調査結果の分析や,被災した建築物の再現解析なども行っている。本セミナーでは,これまでに行ってきた研究活動と,今後予定している研究活動について紹介したい。