題目:粒子線イメージングの適材適所
要旨:粒子線を用いて物体内部の密度や元素分布を非破壊で可視化する技術が粒子線イメージングである。使用する粒子の種類・粒子のエネルギー・検出器は様々な組み合わせが考えられるが、対象と粒子の相互作用・対象の大きさ・粒子線の利用可能性を考慮して適切な組み合わせを選ぶ。筆者はこれまで素粒子原子核実験のための検出器・測定・解析技術の開発とともに、これを応用した粒子線イメージングの技術開発にも携わってきた。本セミナーでは、宇宙線ミューオン・低速中性子・放射光(10keVのオーダーのX線)といった粒子によるイメージングについて紹介し、その基礎となる物理学的過程と応用例を解説する。また可能ならば、地球科学分野での応用の可能性も議論したい。