【受賞】加藤愛太郎准教授が日本火山学会論文賞を受賞

加藤愛太郎准教授が日本火山学会論文賞を受賞しました。

受賞研究:Preparatory and precursory processes leading up to the 2014 phreatic eruption of mount Ontake, Japan
(Earth, Planets and Space201567:111 DOI: 10.1186/s40623-015-0288-x)

著者:Aitaro Kato, Toshiko Terakawa, Yoshiko Yamanaka, Yuta Maeda, Shinichiro Horikawa, Kenjiro Matsuhiro and Takashi Okuda

受賞理由
選考理由:御嶽山2014年噴火は、ごく小規模な噴火でありながら、噴火口近傍に多数の観光客がいたため、死者・行方不明者計63名と雲仙火山1991年噴火を上回る犠牲者が出るなど、日本の火山学にとって極めて重要な噴火であった。同噴火に伴い発生した様々な火山現象を詳細に解析することは、将来において同様な噴火災害を防ぐ上で大変重要である。本研究は、同噴火前後に発生した地震活動を詳細に解析し、噴火の20日前から火山構造性地震が、15日前から低周波地震が山頂か1-1.5kmの深度で増え始め、噴火10分前から震源域が北北西-南南東方向に広がりながら急激に上昇し噴火に至ったことを明らかにし、これらがマグマ由来の高圧水蒸気およびガスの上昇によるものであることを明らかにした。地震活動の精密解析により噴火の準備過程から噴火直前までの地下プロセスを明らかにした極めて優れた研究となっており、将来の小規模水蒸気噴火の予知及び噴火災害防止に向けて、その意義は大きい。
以上の成果により、日本火山学会論文賞として相応しいと判断する。

火山学会論文賞_akato