福島駿(博士1年)が日本地震学会学生優秀発表賞を受賞

 日本地震学会2021年秋季大会において、10月14日に発表した福島駿(博士1年)・篠原雅尚教授・山田知朗助教・西田究准教授、竹尾明子助教らによる研究が学生優秀発表賞を受賞しました。

 受賞した研究では、光ファイバをセンサーとして地震を観測する新しい技術(DAS観測)とを用いて、三陸沖の堆積層及び、島弧側上部地殻構造の地震波速度構造の高分解能推定を目的として,表面波の位相速度を計測しました。
地震研究所が三陸沖に設置した光ケーブル式海底地震・津波観測システムを利用して、DAS観測を推進しています。DASデータに対して地震波干渉法を用いて表面波の抽出を行い,spatial autocorrelation (SPAC) 法を用いて周期10秒程度までの位相速度推定を行ったところ、DAS 観測点は非常に密に配置されているため、地震波干渉法により解析することで、従来の海底地震計と比較して短時間のデータでS/N比の良い表面波が抽出できることも分かりました。また、DAS観測の場合、様々な大きさのアレイサイズに対してSPAC法を適用することができます。対象となる周期・波長に合わせてアレイサイズを変えて位相速度を測定することができるため、高分解能かつ高精度な測定が期待できます。今後、DAS データから得られた位相速度から速度構造を求めることで、従来よりも空間的に分解能が高い島弧側上部地殻地震波速度の推定をめざします。


<優秀学生発表賞>
題目:三陸沖光ケーブル観測システムのDistributed Acoustic Sensingデータを用いたレイリー波位相速度の計測
著者:福島 駿1、篠原 雅尚2、山田 知朗2、西田 究2、竹尾 明子2、蓬田 清3
1.東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻、2. 東京大学地震研究所、3. 北海道大学 理学院 自然史科学専攻 地球惑星ダイナミクス分野
授与機関:日本地震学会
受賞日:2021年11月18日