【共同プレスリリース】地震のマグニチュードー頻度特性の断層強度依存性と応力状態臨界度ーー超多点観測から見えてきた 新たな地震活動の見方ーー


◆ポイント
① 1000点を超える地震観測で地震活動の特徴をみる
②地震の規模と断層の強さの関連性を発見
③地震活動の特徴をみる新たな尺度を調べることで、将来の活動評価につながる可能性


◆概要

地震の規模別頻度分布の特徴は、時空間的に変動することが知られています。これらの変動は、大地震の前に現れることが報告されています。時空間的な変動を理解することは、大地震発生のモデルを考えるうえでの鍵となります。これまでの研究で、地殻応力状態によって大きめのサイズの地震が多く引き起こされるという変化が示されています。さらに、室内実験では、応力や破壊条件の臨界性の両者に依存することが実証されています。しかし、自然地震活動でこの2つの要因がどのように関連するのかは不明でした。
九州大学大学院理学研究院の松本聡教授と、東京大学地震研究所の加藤愛太郎教授らのグループは2000年鳥取県西部地震の震源周辺で1000点を超える地震観測を実施しました。この観測から得られるデータを詳しく解析して、断層の強さに焦点を当て、強い断層ほど大きな地震が発生しやすい傾向があることを見出しました。この影響で頻度分布が変化することを示しました。これは、従来にはない高精度のデータセットに基づいて小規模地震をつかって詳しく調べた結果初めてえられたものです。このことは、大地震前の頻度分布変化が臨界状態に近づいていることに対応すると説明できます。この研究結果は今後の断層破壊モデル解明につながり、将来の災害軽減へ貢献すると期待できます。


これにつきまして九州大学よりプレスリリースがされました。
詳細につきましてはこちらをご覧ください:https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/1101 (九州大学ホームページ)