【受賞】西田究准教授が日本学術振興会賞・日本学士院学術奨励賞を受賞

西田究准教授が日本学術振興会賞・日本学士院学術奨励賞を受賞しました。

*日本学士院学術奨励賞は、日本学術振興会賞で選ばれた25名の中から、更に6名を選び表彰する賞です

 

受賞研究:「常時地球自由振動現象の研究」(Studies on Seismic Hum)

受賞理由

西田究氏は、地球が周期100秒程度で常に振動している“常時地球自由振動”を世界で初めて発見した。地球の振動の可能性は古くより指摘されてきたが、実証は困難であった。西田氏は、従来ノイズとして処理されていたデータを解析し、長周期の振動が陸域より海域において強いこと、とりわけ島弧に沿う振幅が最も強いことを明らかにした。さらに、地球表面を伝わる表面波の水平方向の振動がそれに直交する波に比べ有意に顕著であることを見出し、理論的解析により、この振動は主として海洋重力波と固体地球の相互作用による振動励起であることを明らかにした。この結果は、今後地球内部の構造を従来より高精度で明らかとしうる可能性、さらには地球にとどまらず、他の惑星の内部構造を推定しうる可能性を秘めており、その科学的価値は極めて高い。この一連の研究は日本が常に世界をリードし、西田氏は一貫してそのリーダーとしての役割を果たしてきた。
西田氏の研究は、新たな事実を見出しただけでなく、発想のユニークさ、見出した事実の解釈のためのデータ解析の緻密さ、結果の検証の確実性などから、きわめて学問的価値・オリジナリティの高い研究ということができる。西田氏の今後の活躍が一層期待される。

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