3.11.8 共同利用への対応

(1) テレメータ機材

地震観測用VSATシステムおよび地上テレメータ装置,データロガー等を地震研共同利用の手続きに従って,全国の大学の研究者に提供(貸し出し)しており,2023年2月27日現在の貸し出し数は741件である.

(2) 地震観測装置

総計約1000台の地震観測装置を,地震研共同利用の手続きに従って,全国の大学の研究者に貸し出している.2ヵ月以上の長期利用を希望する利用者が,利用を希望する前年度に行われる利用公募に申請した際に,観測開発基盤センターは,申請内容を審議して採否を決定している.2022年度の特定機器利用の採択件数は7件で貸出台数は122台であった.また,2 ヵ月未満の短期利用については随時受け付けており,2022年度の利用件数は29件,貸出台数は延べ679台であった.

(3) 電磁気観測装置

国内の大学や諸研究機関に所属する電磁気関連研究者による,それぞれの研究ターゲットに基づく野外観測を援助するため,地震研究所の共同利用機器として,電磁気観測装置の貸し出しを実施している.2022年7月現在で,高精度広帯域MT観測装置,長基線電位差測定装置,超長周期電磁場測定装置,高精度方位決定ジャイロ装置,高精度広帯域電場観測装置を保有し,毎年,各研究者からの応募に対応して利用の便宜を図ってきた.そのことにより,多くの観測成果が生み出され,特に地震活動や火山噴火活動のメカニズムを解明するための比抵抗構造研究では,毎年,複数の学術論文が上梓されている.観測機器を常に最良の状態で使用できるよう,ファームウェアを更新し,使用前後に機器キャリブレーションを実施して動作確認をすることも重要な仕事となっている.2022年度の利用件数は9件であった.貸出台数は,測定器本体と磁場センサーをあわせ,延べ152台であった.