3.5.12 歴史地震に関する研究

 2017年度より地震研究所と史料編纂所との連携による「地震火山史料連携研究機構」が設置され,地震予知研究センターからも教員・研究員が参画している.同連携研究機構では,東京大学デジタルアーカイブズ構築事業および災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の一環として構築した「日記史料有感地震データベース」「地震史料集テキストデータベース」(https://materials.utkozisin.org/)を公開している

 1854年安政東海地震の甲府盆地東部の家屋被害に関する史料に関して分析を進め,救済金額などから村ごとの本潰軒数と半潰軒数の内訳を推定した.1826年~1868年(文政9年~明治元年)にいたる阿蘇山の火山活動に関する史料を収集し,1830年(天保元年)の小スコリア丘の形成をともなう活動に関する記事を見出した.18世紀の宮城県南部の地震活動の分析,既刊の地震史料集の記述の再検討などをおこなった.市民参加型の歴史資料解読プロジェクト「みんなで翻刻」の運営を継続した.