1IGE, Université Grenoble Alpes, France, 2ERI, University of Tokyo, Japan, 3ISTerre, Université Grenoble Alpes, France, 4ITES, Université de Strasbourg, 5School of Earth and Space Sciences, University of Science and Technology of China, 6Research Center for Prediction of Earthquakes and Volcanic Eruptions, Graduate School of Science, Tohoku University, Sendai, Japan
Coseismic crustal seismic velocity changes associated with the 2024 Mw 7.5 Noto earthquake, Japan Earth, Planets and Space, 77, 51 https://doi.org/10.1186/s40623-025-02177-x
2024年能登半島地震(M w 7.5)に先駆けて生じていた群発地震活動は、15km以深に存在していた流体が浅部へ上昇することで生じたと考えられている。地下の地震波速度は地震等に伴う外部からの応力擾乱に応答して変化することが知られており、地震波速度の変化量は地殻内流体の量に応じて増幅される。したがって、2024年能登半島地震のような大きな地震に伴う地震波速度の変化を検出することで、異常な量の地殻内流体の存在の有無を議論できると考えられる。そこで、本研究では常時微動を使った地震波干渉法解析を実施し、地震前後の地震波速度の変化を検出した。その結果、能登半島の直下においては、本研究の解析周波数帯が感度を持つ0.5kmから2.5kmの深さにかけて、平均0.5%程度、最大で0.6-0.8%程度の地震波速度の低下があったことが明らかになった(図)。大地震に伴う地震波速度変化は、地震波による動的な応力変化と、静的な応力変化によって生じるとされる。そこで、地動最大速度(PGV)と地動最大加速度(PGA)を動的な応力変化を示す量として動的な応力変化の観測された速度低下の寄与を議論した。また、モデル計算により静的な応力変化による速度低下を見積もった。その結果、PGV、PGA、静的な応力変化による速度低下のいずれもが観測された速度低下とよく相関していたため、どちらのメカニズムが観測された速度低下に支配的な影響を及ぼしていたかについては結論づけられなかった。PGV、PGA、静的な応力変化による速度変化と観測された速度変化の比較から、能登半島北東端の群発地震域における本震時の地震波速度低下量は、地殻内に異常な量の流体が存在すると解釈できるほど大きくなかったことがわかった。この結果は、2.5km以浅には異常な量の流体は貯まっていないこと、すなわち、本震前数年間に亘って上昇していたとされる流体の大半が2.5km以深に留まっていたことを示唆している。なお、本研究では、防災科学技術研究所による定常地震観測ネットワークの観測点に加えて、東京大学地震研究所並びに東北大学が設置した臨時の地震観測点のデータを加えて解析を実施した。臨時観測点は能登半島北東端に集中して設置されており、定常観測点のみの解析結果と比較して、その直下の地震波速度の解像度の向上に大きく貢献した。
Takemura, S., Yabe. S., Emoto, K., Baba, S. (2025). Along-dip variations in source characteristics of shallow slow earthquakes controlled by topography of subducted oceanic plate, J. Geophys. Res., 130, e2024JB030751, https://doi.org/10.1029/2024JB030751
図1. (a) 2015年4月〜2021年3月までの浅部超低周波地震の積算モーメントの空間分布、個々の浅部超低周波地震のモーメントレートの(b)走向方向変化と(c)傾斜方向変化。図中の灰色の領域はPark et al. (2004)による古・銭洲海嶺の位置、青点線はTakemura et al. (2024)の超低周波地震の検知下限図2. 図1のKMD/KMC観測点測線とKMB観測点測線の差異の概略図。沈み込むフィリピン海プレート構造はPark et al. (2002, 2004)などを参考にした。南海トラフの固着域(Locked zone)は、Noda et al. (2018)によるプレート境界のせん断応力増加率の高い領域を参考にした。
演題:Magnitude Estimation via An Attention-based Machine Learning Model
著者:○Ji ZHANG・Aitaro KATO、Huiyu ZHU(Institute of Engineering Mechanics, China Earthquake Administration) and Wei WANG(Key Laboratory of Earth and Planetary Physics, Institute of Geology and Geophysics, Chinese Academy of Sciences)