東京大学地震研究所技術職員採用説明会のご案内

東京大学地震研究所技術部では、技術職員を新規採用予定です。
令和6年度末に学部または修士課程を卒業・修了予定の方や民間企業等に在職中の方で、地震研究所で技術職員として勤務することに興味がある方を対象に、オンライン説明会及び現地説明会を実施いたしますので、是非、ご参加ください。


◆オンライン説明会開催日時:内容はいずれも同じ
2024年3月 9日(土)①10:00~10:30 ②11:00~11:30 ③13:00~13:30 ④14:00~14:30オンライン開催
2024年4月13日(土)①10:00~10:30 ②11:00~11:30 ③13:00~13:30 ④14:00~14:30オンライン開催

◆現地説明会開催日程:2024年5月10日(金)14:15~15:45(14:00受付開始)

◆参加人数:特になし
◆参加資格:就職・転職を検討している方で、東京大学地震研究所の技術職について興味がある方。学部生の参加も歓迎します。
◆申込締切:3月9日開催:3月8日(金)17:00まで 4月13日開催:4月12日(金)17:00まで 5月10日開催:5月9日(金)17:00まで
◆開催概要:東京大学地震研究所技術部紹介及び公募概要や業務内容の説明、先輩技術職員との対話など。

◆申込登録:次のいずれかにより事前にお申込ください。

 (1) マイナビ(東京大学地震研究所の採用情報掲載ページ)からの申し込み
https://job.mynavi.jp/25/pc/search/corp270574/outline.html

 (2) 以下のFormsからの申し込み
  https://forms.office.com/r/2VUFfvufzi

※説明会申込受付後、開催情報等をメールでお知らせします。


◆地震研究所技術部のページおよび技術職員からメッセージはこちら
URL: https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/gijyutsubu/
URL: https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/gijyutsubu/message/

◆リクルート情報の詳細はこちらのページをご覧下さい。
東京大学地震研究所 https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/recruitinfo/
マイナビ2025(東京大学地震研究所)https://job.mynavi.jp/25/pc/search/corp270574/outline.html


お問合せ:
東京大学地震研究所庶務チーム(人事担当)
電子メール:jinji%eri.u-tokyo.ac.jp(%を@に置き換えてください。)
電話:03-5841-5668

南海トラフ沿いの超低周波地震の検知下限マップの作成

武村俊介 1 ・馬場慧 2 ・矢部優 3 ・山下裕亮 4 ・汐見勝彦 5 ・松澤孝紀 5
1 東京大学地震研究所, 2 海洋研究開発機構, 3 産業技術総合研究所, 4 京都大学防
災研究所, 5 防災科学技術研究所
Takemura, S. 1 , Baba, S. 2 , Yabe, S. 3 , Yamashita, Y. 4 , Shiomi, K. 5 , Matsuzawa, T. 5 ,
Detectability analysis of very low frequency earthquakes: Methods and application in
Nankai using F-net and DONET broadband seismometers, Geophysical Journal
International, 2024, 237 (1), 49-63, ggae033, https://doi.org/10.1093/gji/ggae033
1 ERI UTokyo, 2 JAMSTEC, 3 AIST, 4 DPRI Kyoto Univ., 5 NIED

 
 南海トラフなどの沈み込み帯では、プレート境界のすべり/応力蓄積の監視を目的として、通常の地震に加えてスロー地震のモニタリングが広く実施されている。スロー地震の信号は通常の地震と比べて(継続時間が長いために)微弱であり、それらの活動度を議論する上で観測網の検知能力を正しく把握しておく必要がある。そこで、防災科学技術研究所が管理運用する陸域広帯域地震計F-netと海底地震計DONETに含まれる地震計ノイズの強さとシミュレーション波形を用いて、南海トラフ沿いで発生する超低周波地震(スロー地震の一種)の検知下限を評価した。超低周波地震の観測波形ではなくシミュレーション波形を用いることで、超低周波地震が観測されていない地域を含め、検知下限を理論的に評価することが可能である。
 図1aに示すのが、F-netによる南海トラフ沿いの超低周波地震の検知下限の空間変化である。赤系統ほど検知下限が低く、小さな超低周波地震まで検出可能なことを表している。深さ30-40 kmのプレート境界深部で発生する超低周波地震は、紀伊半島南部などの観測点の密な地域では1012 Nm/s程度(継続時間20秒を仮定すると、モーメントマグニチュードで2.8程度)の超低周波地震まで検知可能である。F-netは2004年以降の波形記録を有しており、長期間の超低周波地震活動評価に有利であるが、トラフ軸(図中灰色破線)付近のプレート境界浅部(10 km以浅)で発生する超低周波地震の観測には十分とは言い難い。2011年以降に敷設された海底地震計DONETを追加することで、室戸岬(四国東部)沖から紀伊半島南東沖にかけて検知性能が大きく向上する(図1b)。
 本研究で作成した超低周波地震の検知下限マップとスロー地震データベース(http://www-solid.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~sloweq/)の超低周波地震カタログを比較することで、南海トラフ沿いのスロー地震活動の理解の深化につながる。また、検知下限の低い地域への新たな観測計画の立案につながると考えている。
https://doi.org/10.5281/zenodo.7272617に本研究で得られた、南海トラフ沿いにおける超低周波地震の検知下限の数値データが公開されている。

図1. 南海トラフ沿いの超低周波地震の検知下限マップ。(a)陸域の広帯域地震計ネットワークF-netのみの場合、(b)F-netに加えて海底地震計ネットワークDONETを加えた場合。三角がF-net、ひし形がDONETの観測点地位を示す。図中の等深線はフィリピン海プレート上面の深さを示す。

【共同プレスリリース】令和6年能登半島地震に伴う学術研究船「白鳳丸」緊急調査航海(第二次)の実施について

 海洋研究開発機構(以下「JAMSTEC」という。)、東京大学地震研究所、北海道大学大学院理学研究院、東北大学大学院理学研究科、千葉大学大学院理学研究院、東京海洋大学学術研究院海洋資源エネルギー学部門、東海大学海洋学部、京都大学防災研究所、兵庫県立大学大学院理学研究科、鹿児島大学大学院理工学研究科からなる研究チームは、令和6年2月19日よりJAMSTECが所有する学術研究船「白鳳丸」を用いた調査航海(第二次)において、令和6年1月に同じく「白鳳丸」調査航海(第一次)により設置した海底地震計34台のうち26台及び海底電位磁力計2台全ての観測機器の回収とOBS約20台及びOBEM約5台の追加設置を主とする調査航海を下記の日程・海域で実施いたします。

これにつきまして国立研究開発法人海洋研究開発機構よりプレスリリースがされました。
詳細:https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20240216/(JAMSTECホームページ)

第1033回地震研究所談話会開催のお知らせ

下記のとおり地震研究所談話会を開催いたします。

ご登録いただいたアドレスへ、開催当日にZoom URLとパスワードをお送りいたします。

なお、お知らせするZoom URLの二次配布はご遠慮ください。また、著作権の問題が

ありますので、配信される映像・音声の録画、録音を固く禁じます。

                記

日  時: 令和6年2月16日(金) 午後1時30分~

場  所: 地震研究所1号館2階 セミナー室
Zoom Webinarにて同時配信

1. 13:30-13:45

演題:令和6年能登半島地震にともなう地震活動の時空間発展

著者:○加藤愛太郎・中川茂樹・蔵下英司・酒井慎一

2. 13:45-14:00

演題:噴火した火山混合物のガス推力領域の流体力学に対する多相効果 【地震研特任研究員成果報告】

著者:○Deboprasad TALUKDAR・Yujiro SUZUKI

3. 14:00-14:15

演題:高分解能反射法地震探査による伏在活断層構造イメージング・活動性解明の可能性【所長裁量経費報告】

著者:○石山達也、中西利典(ふじのくに地球史環境ミュージアム )、加藤直子、齋藤秀雄・阿部 進(地科研)

要旨:高分解能反射法地震探査による活断層の詳細地下構造・活動性解明の実験結果とその後の進展について報告する。

4. 14:15-14:30

演題:津波波形とGNSSデータのインバージョンによる令和6年能登半島地震のすべり分布

著者:藤井雄士郎(建築研究所)、〇佐竹健治

要旨:津波波形とGNSSデータのインバージョン結果は、能登半島北部の活断層で3-4mのすべりが生じたが、余震域内にある北東側と南西側の活断層ではすべりは生じなかった。

○発表者

※時間は質問時間を含みます。

※既に継続参加をお申し出いただいている方は、当日zoom URLを自動送信いたします。

※談話会のお知らせが不要な方は下記までご連絡ください。

〒113-0032 東京都文京区弥生1-1-1 

東京大学地震研究所 共同利用担当

E-mail:k-kyodoriyo(at)eri.u-tokyo.ac.jp

※次回の談話会は令和6年3月22日(金) 午後1時30分~です。

ドイツからの現代アート作家と萩原式電磁式地震計

 地震研究所では、使用されなくなった古い地震計の一部を2号館の「地震計博物館」で展示しており、一般公開の際などに見学していただいています。

 そこに展示している中にフィルム記録型の「萩原式電磁地震計(HES)・記録装置」があります。開発後、南極での観測にも使われたこの地震計は、波形がフィルムに記録されるようになっています。

 それを見たドイツの現代アーティスト:Marianna Christofides とBernd Braunlichが興味を持ち、「この地震計を動かすことは出来ないだろうか?」という相談がありました。技術部総合観測室の宮川幸治技術専門職員に問いあわせたところ、取扱説明書もなく、足りない部品もある状態だと分かりました。ですが、この地震計の開発に携わっていたというOBの唐鎌郁夫氏などに連絡を取ったところ、取扱説明書を入手することができ、また足りない部品も代替品を用意することができたので、試行錯誤しつつも修復を試みたところ、完全ではないけれども、動かすことが出来るようになりました。

 
 フィルム記録型なので、地震を記録するにはフィルムが必要です。Mariannaが持参した白黒フィルムを2本セットして一晩観測し、翌日フィルムを取り外してラボにて現像しました。そのフィルムをライトボックスで見てみたところ、2本ともに地面の脈動と思われる波形が録れていました。

Marianna Christofides
左から宮川技術専門職員、Marianna、Bernd (2023/09)
左からBernd、Marianna、 宮川技術専門職員(2023/09)
左から大湊教授とMarianna (2023/11)

 翌日帰国だったため、そのままベルリンに持ち帰りスキャンするためにスタジオに持ち込んだとの連絡がありました。
今後の展開が待たれます。

【萩原式電磁地震計(HES)および記録装置について】

 1956年に開発され、1959年からは南極での地震観測にも使用されていた。写真右にある2台が、地面の揺れを電気信号に変換する萩原式電磁地震計(HES)、写真左にある装置が、電気信号をフィルムに記録する記録装置(HES-RB)、写真真中にある波形が、フィルムに記録された1980年6月29日の地震記録となる。
 フィルム記録型は、高倍率で記録できる特徴がある。

渡邉 篤志 技術専門職員 令和5年度 地震火山災害予防賞受賞

写真提供:研修運営委員会 (左から古村所長、渡邉技術専門職員)

 令和5年度地震火山災害予防賞を受賞した、地震研究所 渡邉 篤志 技術専門職員 。
 受賞式は地震研究所職員研修会の会期中に開催され、記念講演のタイトルは「 火山観測 25 年を振り返って 」でした。

東京大学地震研究所技術職 仕事理解セミナー・相談会のご案内

東京大学地震研究所技術職員の仕事について理解を深めよう!
来年度末に学部または修士課程を卒業・修了予定の方や民間企業等に在職中の方で、地震研究所で技術職員として勤務することに興味がある方を対象に、オンライン説明会を実施いたしますので、是非、ご参加ください。

◆オンラインセミナー開催日時:内容はいずれも同じ
2024年2月10日(土)①10:00~10:30 ②11:00~11:30 ③13:00~13:30 ④14:00~14:30

◆参加資格:就職・転職を検討している方で、東京大学地震研究所の技術職について興味がある方。学部生の参加も歓迎します。
◆申込締切:2024年2月9日(金)17:00まで
◆開催概要:東京大学地震研究所技術部技術開発室・総合観測室紹介及び業務内容の説明、技術系の仕事を理解するイベントです。


◆申込登録:Formsからの申し込み https://forms.office.com/r/h23phchKi0

※説明会申込受付後、開催情報等をメールでお知らせします。
※説明会視聴の際は通信料が発生しますので、Wi-Fi環境での視聴を推奨しています。

お問合せ:
東京大学地震研究所庶務チーム(人事担当)
電子メール:jinji%eri.u-tokyo.ac.jp(%を@に置き換えてください。)
電話:03-5841-5668

地震研究所技術部の説明、及び技術職員からメッセージ
URL: https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/gijyutsubu/
URL: https://www.eri.u-tokyo.ac.jp/gijyutsubu/message/

令和5年度 退職教員 最終講義

地震研究所では、今年度(令和5年度)末に3名の教員が定年退職を迎えられます。つきましては、「退職教員 最終講義」を以下のとおり開催いたしますので、ご案内申し上げます。
皆様のご来聴をお待ちしております。

日  時 : 令和6年3月18日(月) 10時~11時
講 演 者 : 中井 俊一 教授
演  題 : 地球を巡る同位体の旅
開催方式 : オンライン
申込方法 : https://forms.office.com/r/82pbCbE0n8
受付期間 : 令和6年2月9日(金)9時 ~ 令和6年3月15日(金)17時
受付時間は平日9時~17時までとなります。
それ以外の時間につきましては、下記問い合わせ先までご連絡ください。

日  時 : 令和6年3月18日(月) 13時30分~14時30分
講 演 者 : 佐竹 健治 教授
演  題 : 同時代の地震から学んできたこと
開催方式 : オンライン+地震研究所1号館2階セミナー室(定員80名 申し込み順)
申込方法 : https://forms.office.com/r/UBdLFpEE6K(オンライン)
     https://forms.office.com/r/hCZqzdBWWB(セミナー室)
受付期間 : 令和6年2月9日(金)9時 ~ 令和6年3月15日(金)17時
受付時間は平日9時~17時までとなります。
それ以外の時間につきましては、下記問い合わせ先までご連絡ください。

日  時 : 令和6年3月18日(月) 15時~16時
講 演 者 : 吉田 真吾 教授
演  題 : 地震発生の物理
開催方式 : オンライン
申込方法 : https://forms.office.com/r/n3wwtLmyJb
受付期間 : 令和6年2月9日(金)9時 ~ 令和6年3月15日(金)17時
受付時間は平日9時~17時までとなります。
それ以外の時間につきましては、下記問い合わせ先までご連絡ください。


本件問い合わせ先:地震研究所庶務チーム(庶務担当)
         shomu@eri.u-tokyo.ac.jp

【プレスリリース】2023年10月鳥島近海津波の謎――1時間半の間に14回の津波が発生――

発表のポイント
◆2023年10月、大きな地震が観測されていないなかで、伊豆・小笠原諸島と関東から沖縄にかけての広い範囲で波高数十センチの津波が観測され、津波注意報が発出されました。
◆本州沖合で観測された津波の波形記録の解析によって、約1時間半の間に14回の小規模な津波が繰り返し発生し、これらが重なって波高が増幅したことがわかりました。
◆本研究は、短時間で津波が繰り返し発生することによる増幅現象の観測を初めて報告したことに加え、その成果は今後、鳥島近海で津波を繰り返し発生させた海底変動現象の実体解明に役立つと期待されます。

着任セミナー(2024年2月16日)白濱吉起(地震予知研究センター)

タイトル:
変動地形学的研究手法を用いたプレート収束帯のアクティブテクトニクスの解明

要旨:
プレート収束帯では活発な地殻変動が生じており、変動のスケールに応じた多様な変動地形が形成される。プレート収束帯の地殻構造の解明や構造発達の過程の解明には、こうした変動地形についての知見が必要不可欠である。私はこれまで、チベット高原や日本列島のようなプレート収束帯に位置する地域の活断層や活構造を対象に、変動地形学的研究手法を用い、その背後にあるテクトニクスの解明を試みてきた。特に、変動地形研究において様々な応用の期待される手法として宇宙線生成核種を用いた分析手法に着目し、それらを活用した研究を進めている。
本発表では、まず、活断層を対象とした研究として、2016年熊本地震に伴い活動した布田川断層帯や日奈久断層帯において実施した断層活動性調査の結果と得られた知見について述べる。次に、宇宙線生成核種を用いた変動地形研究として国内外で実施した研究について紹介する。最後に、今後の展望として宇宙線生成核種を用いた分析の応用手法とそれらを用いた研究展望について紹介する。