震災予防調査会の仕事
『震災予防調査会報告 第1号』に、この調査会の事業の目的について、「地震の災害を予防する事ができる手段の調査」にあると前書きし、「一面に於ては地震を予知する方法があるのか否か」、また「一面に於ては地震が起こった際にその災害を最少にする計画を作る」ことにあるとしています。そしてそのために、「調査事業の一部分はもっぱら理学に関し、一部分は主として工学に関係するが、両者の間には緊密な関係があり、分離すべきではない」とした上で、次のように具体的な調査項目を挙げています。
1.地震、海嘯、噴火、破裂等に付て事実を蒐集する事
2.古来の大震に係る調査即地震史を編纂する事
3.地質学上の調査
4.地震動の性質を研究する事
5.地震動伝播速度を測定する事
6.地面の傾斜並に「パルセーション」を測定する事
7.地上及地中の震動を比較する研究
8.全国の磁力を実測し等磁線の配布を測定し且地磁気観測所を設置し其変遷を観測する事
9.地下の温度を観測する事
10.重力の分布及其変遷を測定して地殻抑圧の変化を研究する事
11.緯度の変位を観測し及水準の変遷を調査し地歪の漸進を視察する事
12.構造材料の強弱を試験する事
13.各種の耐震家屋を計画し之を本邦地震の多き地方に建築する事
14.構造物の雛形を作り人為の震動を与へて其強弱を試験する事
15.現今の構造物中に付震災に関係あるべきものを予め調査し置く事
16.各種の地盤上に於て地震動の多少を比較測定する事
17.地震動を遮断するの試験をなす事
18.調査報告を出版して広く頒布する事
- 本所永遠の使命
- 近代地震学以前
- 最初の地震観測
- 輸入された地震計
- 本格的な地震計
- 日本地震学会の誕生
- 『日本地震学会報告』の目次
- ミルン『地震学総論』(その1)
- ミルン『地震学総論』(その2)
- ミルン『地震学総論』(その3)
- 世界初の地震学教授
- 震災予防調査会
- 震災予防調査会の仕事
- 濃尾地震から関東大地震まで
- 大森房吉と今村明恒(その1)
- 大森房吉と今村明恒(その2)
- 大森房吉と今村明恒(その3)
- 大森房吉と今村明恒(その4)
- 関東大震災
- 今村の孤立
- 大森・今村地震学への反省
- 設立の理念
- 初代所長・末広恭二
- 発足時の所員
- 談話会と『地震研究所彙報』
- 大規模災害続発
- 共同現地調査
- 公開講演会
- 2人の所長
- 石本巳四雄(みしお)の短すぎた一生
- 第4代所長・妹澤(せざわ)克惟(かつただ)
